現実世界のルーザー

この世に救いはない。読書論・椎名林檎論などを綴った、この世界最後のブログです。

視える視える、地獄が視える

もうだいぶ前のことだけど、宇野亜喜良イラストのタロットカードを見つけて買ったことがあるのだ。渋谷のドンキホーテ裏・ラヴホテルに囲まれたマンションの一室のようなところにあるポスターハリスギャラリーというところに、僕がのちにフられた女の子と一緒にデートで行った時のことなんだけど*1、その時が寺山修司と劇団天井桟敷関連のポスター展だったのだね。宇野亜喜良画のポスターがずらり並んでいた。そこには宇野亜喜良関連の書籍やグッズもたくさん置いてあって、気に入ったタロットとしおりとピンバッヂを買ったのだ。しおりもすっごいオシャレなイラストで気に入っていたのだけど、目を離したスキにうちのネコちゃんのオモチャになってズタズタに引き裂かれてしまいました、悲しおりい。

その後、タロットカードを買ったままで使わないのはもったいない。タロット占いができればモテるやもしれないと思い、近所の古本屋さんでタロット占いの入門書を買ったのだが、最初のカードの意味の解説らへんまでは読んだけどその後はもう飽きて挫折しちゃった。僕がかつて読むことを挫折した本って、そのときのタロットと、小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』と、ハンナ・アレントの『人間の条件』くらいかな…。黒死館は読み出してすぐ仕事が忙しくなって読んでられなかっただけだし、人間の条件は予備知識なしに読んだのでなんのこと書いてるのかさっぱりわからなかっただけなので、いずれ再チャレンジはするつもりだとも。

でもタロットはもう、ムリですね。覚えようという気にならない。僕は占いとは相性が悪いようだ。信じる/信じないということでなく、今の世で普遍的な必要性がないだろって気がしてならなくって。もともと占いってのは、人知を越えたもの・自分じゃまったく判断のつかぬ強大なものにぶち当たったときなんかに判断を下すためのツールのようなものじゃなかったかね。亀の甲羅のひび割れで吉凶みるのが本邦の初期占いだったか。ってな話を京極夏彦SF小説『ルー=ガルー』でオカルトマニアの女の子が解説してくれるエピソードがあって、気に入っていたんだけど。映画版はゴミクズのようにつまらなかったけど、小説の『ルー=ガルー』は面白いのでおすすめですよ。近未来、いまでいうスマホのような小型の端末で管理され人間同士の物理的な触れ合いが希薄になった社会を舞台に、女子中学生たちが不可解な殺人事件に巻き込まれるSFミステリ小説なのだ。

 占いがアカン、と言ってるわけじゃないんだよ。現代の一般的な占いの使われ方がオカシイだろって密かに思っている、ということね。

あともうひとつ、まったく個人的な事情で恐縮なんだけど、これは完全にムカつくのでアカンやろと思っていることがある。どうしても浮き世の義理で社会的なつながりを持たざるを得ない人間関係のなかにへっぽこ占い師がいて、そいつのせいで占いの印象が悪いというのがあるのだ。そのへっぽこ占い師は先日の北朝鮮のミサイルも関東の地震も"視え"ていたそうで、まもなく"終わりの始まり"のようなものが始まるのだという。いっつも思わせぶりなツイートしてるけど肝心なことはひとつも書かない。"視え"てんじゃねーのかよ、文章力がないのかよ。デタラメこいてやがんだろう。「当たるって言われるんで占いますよ!一回5,000円で!」とか言ってるのを見るたびに正気なのかコイツはと思っているのだ。すっげえトーク力でエンターテインメント的に楽しませてくれるならわかるとして、それが期待できないのだから救いがない。それは占いの形をしたトークビジネスであって、へっぽこ占いとは別業種だと思うんだよね。占い師という態でお悩み相談でもいいんだよ、お悩み聞いてくれてこちらのこころが軽くなるならそれも功徳、決断に迷っている背中を誰でもいいから押れくれってときにお願いするならまぁギリいいかなって思うんだが、件のへっぽこ占い師は逆にこっちがお悩み聞いてやりたくなるくらい貧乏くせえ生活しているのよな。なんでこんなにもへっぽこ占い師をdisrespectしているのかとご説明申し上げれば、こいつ、占いからの、マルチ商法に繋げるコンボをキメてきやがるからなのだ。占いの結果運が向いているんでいまが儲けるチャンスですよ!みたいな寒いことを言うの。占いの結果をもとに行動を規定するなんて本末転倒だし、非ィ効率的だし無意味だろう。そいつの占い以外にも、別のマルチヤローは(本来の意味じゃない)占いとほぼ同質の適性診断みたいなやつ、「あなたは○○型の人間」ですみたいな分類わけをするものを用いてまいりました。あなたはこういうタイプの人間なのでこういう稼ぎ方がいいですよ!ってオススメする態でネットワークビジネスだとかそのほか怪しげなビジネスだとかに勧誘するの。僕が診断されたやつは、生年月日かなんかで動物の分類するやつだったかな?子供かよ。ビジネスでガンガン稼ごうぜって威勢のいいこと言うかと思えば雑誌の占いコーナーみたいなショボい人間の指向性分析を始めるんだから、ギャップが半端(パ)ねえよね。人類史って200万年くらいですかね?500万年?わかんないけど、人類史への冒頭だろって思うよ。僕がこの世でだたひとつ嫌いな種族がネットワークビジネスマンなので、酷い書き方をしちゃいましたが、本当にそんなこと言ってくるやつがいるんですからね。驚きだよねえ。僕が未来を視通す千里眼の能力者だったらならよかったんだけどなぁ。あいつらに「10年後ちっとも稼げていませんよ」って悲しい現実を突きつけて未来を待たずに今すぐ人生終わらせるように仕向けるのにな。つくづく自分が千里眼持ちの能力者じゃないことが悔やまれます。
 
あのへっぽこは占いをマジもんのスキルだと思っているらしいが、そんなものではありません。「無」です。実体はありません。
それでも僕はそんなこと言ってるやつらを表面上はこころよく受け入れてやろうと思っているのです。
 
なんでか?
 
実体がないということは、形がないということ。形がないということは、裏ない(占い)し、こころよく受け入れるのはつまりおもてなし(表なし)だってことだね。裏も表もないってね。あまり上手に決まりませんでしたが、このダジャレが言いたくてこのクソ記事を書きました。貴重な時間をこんなクソブログ記事を読むことに費やしてしまって憤っておられる読者さまの顔が僕の千里眼には"視え"ました。

*1:これももちろん架空のフられた女エピソードです