アサヒ死ンブン

死骸ブログ

【読んだ本メモ】高石宏輔『声をかける』(晶文社)

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ナンパヤローと、ナンパヤローに声をかけられて関係を持った女たちの多種多様な孤独が描かれた小説(なのかエッセイなのか)。
主人公はスカしたナンパヤローだと思えなくもないが、知らない人に声をかけようと思う心理ってどんなだろうなと想像するのは面白い。

最後の女の話だけはちょっと「声をかける」からは外れた展開になっていく感はあるけれど、声をかけることを課している男に興味を持った女の心理を描いているからまぁおかしくもないか。

男目線からも女目線からも話のネタになるポイントが多いので読書会向けの本かもしれないけど、僕はそんな明るい場で恋愛がらみの浮いた沈んだ話したくないので課題本になっても絶対行かないわ……

よくあるナンパブログも文章がうまくて面白いのもあるけど、多くはテクニック的なところがテーマの中心となっている(ような気がする)ので、これは似て非なる読み物だといてる。

孤独を埋めるために他人を求めるのか、自己満足のために求めるのか。
多くのナンパに興味ない人間からすれば勝手にすればいいだろうって思いつつたいへん嫌悪するような内容かもしれない。
とはいえ僕は「声をかける」ことが非常に苦手な人間なので、ナンパヤローだからといってバカにできたものではないのだ。ナンパどころか飲み会で初対面の女の子としゃべれないもんね。これはだめですね。致命的だ。どうすればもうちょいまともに人とコミュニケーションを取れるようになれるのだろうか……と思った時に、同じ著者の書いている別の本がヒントになりそうだったので買ってみた。読んだらそれはそれで、別に書く。