現実世界のルーザー

この世に救いはない。読書論・椎名林檎論などを綴った、この世界最後のブログです。

逆ナン日記

読者のみんなは、ほんとに僕がフられてばかりのモテないマンだと信じているのか??
だとしたらその認識がトンでもない誤謬であることを、この日記をもって知らしめてやろうと思う。その幻想をぶち殺す――
 
知ってのとおり僕は椎名林檎のアイコーカなので、リンゴと名のつくイベントはいろいろチェックしている。
ある時、オールナイトで林檎の楽曲をかけるDJイベントのようなものがあるときき知って、行こうと思ったのだ。ライブハウスのようなところで延々曲をかけて、踊ったり酒飲んだりするイベントなわけだね。
 
会場近くで別の予定を早めに済ませたこともありオープン直後から入った。馴染みの友人たちは遅れてやってくるらしい。
薄暗いダンスホールに人はまばらで、僕は安い烟草を吸い、麦酒を飲みながらぼんやりと、ここではない異国について、たとえばアラブ・パレスチナを空想していた。
そのとき、声をかけられたのだ。
 
「あのう、それはヴィヴィアンの指輪ですよね」
 
むかしの椎名林檎がつけていたことで有名なヴィヴィアン・ウエストウッドのアーマーリングを、僕も愛用している。ただカラーが違っていて、林檎ちゃんのはシルバーで、僕が持っているものはブラックなのだけどね。色合い的にはタミヤ模型の塗料でいうところのガンメタルを想像してもらえればよい。まったく同じものを買うというのも芸がないし、ブラックが思いのほかかっこよかったので買ったのだ。デューセンバーグのギターを買ったときも、林檎ちゃんが使っていたのとは違うホワイトを選んだな。
 
「ええ、林檎ちゃんのとは色が違うんだけどね」
 
と答えて、ヴィヴィアンの小物が好きなこととか、十三年ほど林檎に片思いしていることとか、そのほか好きなものについていろいろ話した。
少し顔の距離が近くなったかな、というところで、いずれ来るだろうなと思っていた、核心に迫ることを問われたのです。
 
「あの、ノンケのかたなんですか??」
「ノンケだよ!!」
 
僕はノンケだ。差別主義者ではないが、ノンケだ。相手がクソイケメン、たとえば明石国行くんだったとしても、断っているよ。

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「どうしても、ダメ……?」
「ダメだよ、ゴメンな!!!」
 
そんなやり取りを何度か繰り返した。友達にオカマちゃんがいなかったら、オカマちゃんの対処に慣れていなかったら、食われていたかもしれない。会場の所在地が新宿二丁目だったから、こんなこともあるだろうかと思っていたよ。僕はイケメンだしな。
 
ラーメンズ小林賢太郎さんみたいでカッコイイですね、百色眼鏡の」
 
そのとき僕が縁の丸いメガネをかけていたものだから、こんなことを言われたのだ。不覚だが、ここは少しキュンときたな。僕は女の子からカッコイイなんて言われたことがないからな。
おまえが美少女だったらよかったのに。あるいはおまえが小雪で、「私の名をお知りになりたいのでしょう?」と言ってくれればよかったのだ。
どこかで再会することがあったとしても、「ちょっと飲みにいきませんか」なんて誘いには断固として乗らないぞ。ちょっと飲みにと誘ってから女を抱きに行くのが王道コースであることをよく知っているからだ。
 
くそう、女の子から逆ナンされてえよう、宗教とかマルチ商法とかじゃないまともな女の子から……
 
お死まい。