現実世界のルーザー

この世に救いはない。読書論・椎名林檎論などを綴った、この世界最後のブログです。

カミキリ日記

神を斬りに行った。
 
担当の美容師さんに切ってもらうのは今回でもう三度目くらいなんだけど、いままでほとんど会話した記憶がなかった。
僕は「服屋怖い病」に加えて「美容院怖い病」を患っているのだ。しゃべれないのだ。
相手は休日にフットサルとかやってそうな三十代オシャレイケメン美容師だぞ。そりゃ怖いだろう。
 
今回も最初はお通夜のように静かに終わるかな~と思っていたんだが。
 
「平日休みなんすか?」ときかれ、
「いえ、実は転職して来月から新しい仕事なんで、いま休みなんですよ」
 
からの、転職話などで話をすることができました。よかった、僕はただのゴミクズコミュ障ではなかったんだ。美容師としゃべることはできた。
転職には転機みたいなものがありますよね、というようなことを話した。思えば求人募集でてたの見つけたのもたまたまみたいなもんだし、優遇条件のスキルとマッチしてたのもラッキーだったし、ここを逃したら次はいつそんなチャンスあるかわからなかったな。
そんなような、思っていたことを気楽にしゃべることができました。
 
これで距離が縮まったのだろうね。
シャンプーのち、髪を乾かしているときにね、
 
「僕の友達でぜんぜんモテないやつがいるんですけどね」
 
って、イケメン美容師から話題を振ってくれたのだ。
てかモテない友達の話するって、ルーザーかよ、おまえ。僕もよくモテない友達の話をするんだよ。びっくりしたよ。
 
「中学からの付き合いなんですけど、もう十数人女の子紹介してるのにまったくダメで」
「なにがダメなんでしょう、話すのが苦手とか?」
「いや、つまんないんすよね、そいつ」
 
最初の紹介するときはみんなで会うから盛り上がれるのに、次にデートでふたりで会うと途端につまらなくなるタイプの人なんだそうだ。
話しなかばでもうなにが言いたいのか分かっちゃって、面白みがないとか。
話し方に抑揚がなくて会話を聞いていたいって思えないとか。
あげく、「こないだフられたコになにがダメだったのかきいといて!ただし、まだ未練があることは匂わせないように!」とか無茶振りしてくるとか。
あー、ダメそうだな……てのが聞いてるだけで伝わってくる。いや、僕もつまんねえので、これは反面教師的な意味で参考になるな。
 
「そいつがこれから切りにくるんすよ」
「あぁ……がんばってください……」
 
なんてオチもつけてくれた。イケメン美容師は話が上手い。
僕も人のこと笑えないモテないマンなんだけどね、ウワサのその人がどれだけモテなさそうなのかだけはチェックしておきたかった。
 
神を斬ったあとの僕は、イケメン度がマシマシ増しましたとさ。
 
お死まい。