氷川丸日記
気分があまりにも憂鬱だったので振り払うため、氷川丸に会いにいった。
日本郵船が1930年に竣工させた貨客船で、太平洋戦争時は病院船となって生き延び、戦後は復員船を経て1960年まで運用された。いまは横浜の山下公園前に係留されて重要文化財になっている。船内見学はこの日お休みだったぽく、行っていない。
僕はずっと前に日本郵船の株でデート代をひと儲けした思い出があるが、それは余談だね。
こういう時、リッチなカメラを買っていればよかったかなぁと思うのだ。猫か船くらいしか撮りたいもんがないからなぁ。
氷川丸の姉妹船には「平安丸」「日枝丸」があったけど、こちらは戦没している。神社の名前から取られた三姉妹だったのだね。平安丸については、太平洋戦争のキスカ島撤退作戦に参加した船だということだけ知っていた。ミッドウェーの大敗北で戦略的価値を失ったアリューシャン列島からの撤退作戦。アッツ島は玉砕、キスカ島からは霧に紛れて奇跡の撤退を果たしたという。
ぶらぶらと山下公園から知らない道を歩いて帰った。立ち寄ったコンビニにはいつも吸う金蝙蝠*1を置いていなかったので、パッケージにミートボールが描かれた煙草*2を初めて買ってみた。夜風に美味かった。船を見るのはいいものだね。ここでないどこかへ連れて行ってくれそうだからだろう。どこかへ行きたいね。行方不明になりたい。普通の人ならばお散歩すれば気分もかわって明日から頑張って生きようと思うのかわかりませんが、僕の気分は地獄なままです。