現実世界のルーザー

この世に救いはない。読書論・椎名林檎論などを綴ったこの世界最後のブログです。

陰陽鬼遣らい

今日は節分の日ですね。 

むかしむかし、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられており、それを追い払うための悪霊ばらい行事が執り行われた、というのが節分の起源だそうです。 

これから春に向けて季節の変わり目になる時期ですので、みなさま無理をして体調などくずされませぬよう、ゆめゆめご自愛されますように。 
3末の対応に向けてますます忙しくなる現場も多くあることでしょう。 
しっかり体調管理して乗り切りましょう! 

鬼とか超怖えですからね。 
在原業平 二条の后をぬすみいでゝ、あばら屋にやどれるに、鬼一口にくひけるよし、いせ物がたりに見えたり。 
人ならざる脅威には要注意ですよ。 

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っていう内容を、ずっと前に辞めた会社にいたころ、社員用ブログにアップしたことがありました。その時のタイトルも、もちろん『陰陽鬼遣らい』にしていました。社員しか見られないローカルなブログ記事だったとはいえ、書いたのはちょうど節分のころ。3末案件にむけてガンバローぜっていうごく普通の内容なはずなのに、誰からも反応は頂けなかったかと思います。「誰かのブログがアップされたことに気づいたらなにかしらコメントをつけること」みたいな社内ルールがあったにもかかわらず。みんなそんなものはやりたがっていなかった。

これを書いた当時の自分のメモ書きも残っていたのだけど、「タイトルに陰陽鬼遣らいって書きたかったから節分ネタにしたけどなにを書けばいいのかサッパリわからない、ブログとか超ムズい」って書いていました。つくずく(つくづく?)むかしから自己表現が苦手なのだ。もっともっと面白いことを気の利いた文章で書けるようになりたいですね。

ところで、本文中の「在原業平 二条の后をぬすみいでゝ、あばら屋にやどれるに、鬼一口にくひけるよし、いせ物がたりに見えたり。」というのは、江戸時代の絵師・鳥山石燕の『画図百鬼夜行という主に妖怪画集の、「鬼一口」の説明書きから引用したものなんですね。この画にはさらに元ネタがあって、平安時代の歌物語である「伊勢物語」の芥川の段のところなのですね。在原業平とされる貴族が二条の后という美女と駆け落ちして、あばら家で雨露をしのいで夜明けを待っていたところ、夜明けになると女の姿は消えていた。そこに住んでいた鬼に一口で食い殺されたのだろう。というような、平安の「本当にあった怖い話」のようなもの。

僕がむかしフられた女の子も、突然消えてしまった。カレシのいることに気づかないフリをして一緒に遊びに行って鬼一口に喰ってやろうと思っていたのだが、「喉が渇いた、なにか買ってきて」というひと言に騙されて、あばら家ならぬコンビニに飲み物を買いに行った隙に逃げられたのだ。あとに残ったものは「ゴメンね」のメールひとつ、よくあるフられパターンだよな。

  白玉かなにぞと人の問ひし時
     露と答へて消えなましものを

じゃなくて、「ビールでいいかい?」と問ひし時「いいよ」と答えて消えちまったんだよね。在原業平もこんな気持ちだったのか~って思ってたけど、よく考えたら業平がイケメンで有名だったのに対して僕はキモヲタだったから、ぜんぜん違うね。ってかこの話を社内ブログに書いていたら、さぞかしウケていたこったろうな。*1

*1:このフられた女のコのエピソードは、もちろん架空です。