アサヒ死ンブン

死骸ブログ

「積ン読」を解消するたッた5つの魔術的方法 含・仙人化のすゝめ

序論

僕も世の中のクソブロガー・クソライターのアクセス数獲得への狡猾なる情熱を見習い、タイトルを工夫して、タイトルで詐欺っていくスタイルのブログで攻めていくことにします。よろしくお願いします。

カテゴリーは「読書論」というわけで、あまりにモテないばっかりにいつも本を読んでばかりいるルーザーによる読書講座です。今回は、「本を読みたくてたくさん買っているのに読む時間がなくて積ン読が増えてしまっている」そんなどうしようもなく贅沢なお悩みについて、一緒に考えていきたいと思います。

ところで、タイトルにも使った「積ン読」という気持ちの悪い日本語はみなさんご存知でしょうか。このタイトルに惹かれて記事を開いてくれたた人ならだいたいわかりそうなものか。「いつか読もう!」「一丁勉強しよう!」と思って買った本が、家にたくさん読まれずに積まれたままになっている状態を言う言葉だね。最近のコトバかと思ったら、書物の発展に合わせてメージ時代に普及した言葉なのだといいます。

僕も買ったまま積んだきりで、いつ読めるんだろう状態の本がたくさんあるのでね。この積ン読をどう処理するか、というのは自分の人生におけるテーマのひとつと言っても過言ではありません。

計画的に読む本を選んで買ったり、図書館を有効活用できている人は「積ン読」のような深い業は持っておられないことでしょう。研究者気質で本を溜め込んじゃう人とか、忙しすぎて読むひまがないスーパービジネスマンとか、単に僕みたいなズボラマンがお悩みなのだと思います。僕は興味のある本を見つけるとジャンジャンバリバリ、ジャンジャンバリバリと買っちゃうのだ。ダメですね。

この積ン読をなんとか解消しようと思ってヒントが得られないかとインターネットで検索してみても、しょせんインターネットは地獄ですから、得られる有用な情報は「焚書」くらいのものなのですね。焚書も一時的には効果があるかもしれないが、また時が経てば本を買っちゃって積ン読状態になり元の木阿弥なので、あくまで対症療法にしかならないのだ。「もう買わないぞ!読む方に一意専心するんだ!」なんて決意は甘い、甘い。ちょっと面白そうな本を見つけたら買っちゃうに決まってんだろーが。人は誰しも、自分のこゝろに負けるのです。

 

仙人化のすゝめ

ところで、バカは風邪を引かないという。僕はバカじゃないので、風邪を引いたことがあります。日比谷線のクーラー直撃で端から端まで乗っていたこと、雨天のため気温が低い夜におなかを出して寝ていたことが原因ですね。なんともびっくらポン、朝起きたら咽喉痛痛之助(のどいたいたのすけ)、頭痛激激之助(あたまズキズキのすけ)、身体揺揺之助(からだふらふらのすけ)、風邪引引之助(かぜひきひきのすけ)なのだ。不死身のルーザーですから、エイヤッと気合いのひとつでも入れれば風邪なんぞたちまち治ってしまったのです。とはいえおそらく、一瞬くらいは微熱を伴っていた。 恋の微熱37度5分、平熱36度2分。

その微熱を帯びている間にどうやら羽化登仙したようなのです。平たく言うと、仙人になったのだ。

そして、仙人になることが積ン読解消への最短コースであることがわかったのだ。
本をね、量子エネルギーに変換したうえで吸収するのだ。具体的にはね、仙人になったらね、まずはお手元の本を神通力でエーテルに変換する。
そしてエーテルの粉をスプーンに乗せて火で炙ってね、嗅いで接種するのだ。
そうすると本の内容が読まずとも取り込めるという理論だね。
この方法を用いれば積ン読など一瞬で解消だ。

さらに脳量子派を利用することで仙人間の相互通信、いわゆるひとつのテレパシーが可能となるのだよ。読んだ本の内容をテレパシーで共有できれば、こんなに手間の省けることはない。

しかしね、問題もたくさんある。「誰でも仙人になれるのか」「どうすれば仙人になれるのか」「一度仙人になってしまえばずっと仙人でいられるのか」「仙人になれない人の気持ちを考えたことがあるんですか」などなど、湧き上がる疑問は枚挙にイトマがない。

人工知能なンか作ってる場合じゃねえぞって思いますよね。仙人化の一般理論を打ち立てねばならぬ。もしかしたら時の政府はヌカリなく人工知能に仙人理論を構築させるつもりなのかもしれない。 

むかしばなしに曰く、久米の仙人は飛行中にたまたま洗濯中の若い女人の肌に見とれたことによって神通力を失い、墜落したという。その日思わぬ風邪の効能でひとたび仙郷を見たルーザーであるが、すっかり風邪も癒えたと思ってマクドで読書していたところ、向かいの席の女子大生の脚を見ていたらなんだかアタマがくらくらしてきたよ。仙人にはなれきれていなかったのだ。すべては熱に浮かされたタワゴトだったのだ。僕は村上龍の小説に出てくるようなヤバイ薬物などはやっておりません。

↑ここまでのことはずっと前に風邪を引いて熱が出て、仕事を休んだけど本を読むことすらツラかったときにほかにやることがなくしかたなく書いていた手記を元に書いています。あーあ、仕事してる時間がマジもったいないですね、一刻も早く読んでいきたいのに。

まぁ正直、無理して本なんか読まなくてよくね?ってのが結論なんですけどね。僕は買った以上モトをとらなきゃ勘弁ならないド吝嗇*1主義な人間なので、買ったものは全部読むけどサ。

本気で積ン読に悩むくらいなら、いっそ本を全部売り払ってクルマを買って、ドライブを趣味にしたほうがいいと思いますけどね。読書に比べて健全だし、アグレッシブだし、モテそうだし。一緒にクルマを選ぶお手伝いならしますよ。ポルシェ911がオススメです。カッコイイよね!

 

【まとめ】「積ン読」にどう対処するか?

①ごちゃごちゃ言ってないで読む

②仕事をやめて時間を作って読む

③仙人になる

④あきらめて全部売る

⑤いずれ読むはずの本なのだから実質読了みたいなものだし、読んだことにしておく

 

業の深いあなたへ

⑤について、読んでないけど読んだことにしておくという手法、これを主軸としたい!と思った業の深いあなたへ向けたアドバイス

「読んだことにしておく」ってのは決して冗談で言ってるわけでなく、なかば本気でもあるのだ。積ン読の本の中には、買ったはいいけどめちゃめちゃ興味あるわけじゃないけど一応読んでおくか、くらいの優先度も意欲もあまり高くないものもあるかと思います。

そんな読んでない本を読んだことにするテクニックを鍛えるにあたって、僕が以前読んだこの本が有用だと思うんです。

 この本は、僕みたいに読書に関心があるけど本を読むのがメンドくせ~な~って人をターゲットとして書かれているのだ。

「本くらい読まねばならんぞ」「読むなら初めから終わりまでしっかり読まねばならん」「そして読んだ本について語らねばならん」
そんな風潮が世の中にはある。でもそれって、本当だろうか??著者の経験から言うと、読んでいない書物について語ることは可能だという。この時点で面白そうじゃないですか。で、語る相手もその本を読んでいなくてよくって、むしろ読んでいることが弊害になることすらある。とまで書いているよ。いったいどういうことなのか、詳細に述べられる。
読書をすることによって自分の得られるもの、そして他人と共有できる部分についての仕組みが説明される。普通は読んでない本のことについて他人と共有なんかできないと思っちゃうのだけど……ところがギッチョン、対象の本を読んでいなくても他人と共有する部分については語れるんやで、みたいなことが説明されるのです。
読書で教養を身につけるためには、ある本を読み込むことよりも、「書物全体への見通し」を身に付けることが大切なのだと書かれていた。全体への見通しができることで、自分の立ち位置がわかる。だから読んだことのない本でも、他の本の内容やらの関連性の中で語ることができるのだ、と。 書物は孤立して存在しているわけではないので読んでいなくても語ることができる。
まぁそんな理屈で読んでない本でも堂々と語れるようになるよってことなんだけど、「書物全体への見通し」を身に付けるためにはいろいろ読んでなきゃダメじゃね??って突っ込みたくもなる気もする。でもわかる気もする。読書好きの人にはぜひこれを読んでみて、どう感じたか感想を聞きたいところですね。

注意点として、この本では参考としていろんな文学作品を取り上げてるんだけど、盛大にネタバレしてんだよね。ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』って、中性の修道院における連続殺人事件というミステリ小説なんだけど、犯人の名前と事件の動機まで書かれちゃっている。いいのかよ。怒られないのだろうか。なので、『薔薇の名前』が気になっている人は絶対にこっちから読まないとダメ。あとほかになにが取り上げられているか、ネタバレ嫌いな人は読む前にチェックしとくべしだね。

京極夏彦みたいな宗教うんちくを含むミステリが好きならオススメですよ『薔薇の名前』。著者のエーコ記号論の学者だからね、学術ネタがとても濃いのだ。ヨハネの黙示録に見立てられた殺人事件、迷宮の如き文書館、事件の裏には一冊のナゾの書物があり。信仰と科学の入り混じった舞台、事件解決に向けた暗号解読、聖なるべき修道院に垣間見える俗っぽさ、ミステリの王道的な面白さもばっちり揃っている。。

個人的な印象としては、事件の舞台だとか事件の背景が京極の『鉄鼠の檻』に似ているなって思ったのでした。細かい宗教論争のところは本当に専門で勉強でもしていなければわからないかもしれませんし、僕も覚えていません。しかし事件の動機となった書物およびそこに書かれてかれていたことについては、文学や哲学好きなら楽しめると思います。


ってか、あぁ、こんなふうに面白そうな本をいろいろ紹介していったらみんなの積ン読がどんどん増えてしまうかもしれないね。

*1:ドケチ