現実世界のルーザー

この世に救いはない。読書論・椎名林檎論などを綴った、この世界最後のブログです。

「ポルカドットスティングレイが東京事変になれるわけないだろ」に対する一意見

ほとけさまのように優しく生きていきたいと思っている。
でもムリ……うっかりでも気に食わないものを見ちゃうとインネンをつけたくなってしまうのが人情というものではあるまいか。たまたま目に入ったこの記事の内容があまりにも意味不明だったので、ひと言書いちゃう。

basement-times.com

これが個人ブログで書かれているようなものだったなら「ふーん、意味わかんね」でオシマイだったのだけど、お金もらって書いてるんですよね?もらっていない?よくわからないけど、WEBマガジンに掲載されているということはお金もらってプロ*1として書いている仕事だと思うので、いち読者として突っ込みたくなった。なんせ僕は椎名林檎アイコーカの端くれだもの、タイトルに東京事変の文字があったらいったいどんなことが書かれているのかナ~って気になっちゃう。

一読して思ったことはみっつ。

ひとつ、『走れメロス』のパロディはイタいから、本当にイタいからやめたほうがいい。煽り抜きで忠告したいのだ。パロりやすいことはわかる。わかるとも。僕もやりたくなるけどね、こらえている。身内のギャグとかツイッターとかでネタにつかうならまだしも、パロディになっていないパロディほど痛々しいものはないのでやめときな、という親切心だ。

ふたつ、タイトル詐欺な件。
僕は寡聞にしてポルカドットスティングレイを知らなかったので、タイトルから受けた印象は、「自称・ポスト東京事変とか言ってるやつらがいるのか?あるいは、世間でそんなふうに騒がれているのか?」って思った読んだんだよ、この記事。タイトル見たらね、誰が「東京事変になれる」とか言ってんだろう?って、思いますよね。
そしたら、「メジャー(レーベル)のおじさん」が飲み会で言ってたことに、筆者が勝手に反応して書いたんだそうで。おめーの妄想かよって感じですよね。タイトルで釣らなきゃ生きていけないのはプロ・ブロガーの人たちだけかと思っていたが、プロの音楽ライターにも必要なテクニックだったとは、恐れ入ったよ。他の記事もだいたい同じような趣向みたいだし、タイトルで釣らなきゃ読んでもらえない悲しい事情がインターネット世界が蔓延していることを嘆くばかりであります。

みっつ、この記事でいったいなにが主張したいのか。まったくわからない。
最後の章の、

売れるために貪欲なのも、手段を選ばないのも、金をつぎ込むのも、そう嫌いじゃないけれど、せめて賢くかっこよくやってくれ。人間を消耗品にするようなプロモーションはもうやめたらどうかなと。

ってところが言いたいんすかね?このバンドの活動スタイルに物申したいってことでいいの?
ヨケーなお世話じゃないっすかね。プロモーションに使いうるあらゆるツールは用いればいいジャン。動画が音楽を広めるのに最も適したツールであることは自明ですし、理にかなっているのではないかくらいにしか思えないんですけど。なにが問題だと思って批判的な書き方をしているのか、そこからしてわからない。「人間を消耗品にするようなプロモーション」ってのはどういうことなのか。ぜんぜんわかりませーん!「賢くかっこよくやってくれ」だなんて、タイトルで詐欺るような愚かでダセエ音楽記事を見直してから言ったらいかが?としか思えない。
ちょくちょくいろんなバンドを引き合いに出しているが、正直全体的になに言ってんだかまったく読み取れません。バンドとして売れる/売れないの話をするのは結構なんだが、わかるように書いてほしい。最初の方のメジャーレーベルへの悪口からして、文句があるなら普通に書いたらどうなの。面白いと思って毒舌を気取っているのか、軽妙洒脱な文体を狙っているのかわからないですが、どっちも成功していません。言いたいことをちゃんとした言葉で伝える練習から始めたらどうなんでしょう。記事のカテゴライズが「レビュー」ってことになってるけど、いったいおまえはなにをレビューしたんだ??

結局、オッサンの飲み話以外で東京事変がなんで出てきたのかはさっぱりわからない。東京事変ポルカドットスティングレイの共通点は「ボーカルが女性で残りのメンバーが男性であること」くらいしかわからない。オッサンのせりふは飲み会での与太話であると置いといて、それをわざわざ拾ってタイトルにまで持ってきている意味がわからない。
他の記事も読んだけど、ファンがどうのこうのとかどうでもいいからバンドの話しろよってかんじですね。音楽の話ができない音楽ライターって逆にすごいな。なんで存在しているのか意味がわからない。
本当に全体的に意味がわからなくって、怖いくらいだった。文章は読めるのに意味のわからないものって気味が悪いじゃないですか。これ、誰かになにかが伝わると思って書いたのか?読み手に解釈を強いる文章を公然と載せる神経を疑うね。アーティスト気取りなのかなと思ったけど、ハッキリ申し上げてウザいだけだわ。 

よかったことはたったひとつ、ポルカドットスティングレイというバンドを知ることができたこと。のみ。

てかほかのみなさんはこの記事を読んで面白いと思ってるんでしょうかね。こんな感想を書いちゃうのはもしかして世界に僕だけ、とか?いまの世の中で音楽の記事ってのはこういうスタイルが受けているから書いているのかな?それだったら僕の認識が誤っていたということになるな。


これは余計な話なんだけど、僕が高校生くらいのむかし、矢井田瞳がリンゴに似ているだとかいう説が流行ったことを思い出しました。当時矢井田瞳を聴いた僕はいったいどこが似ているんだ??と言いたくてたまらなかったけど、今のように発信する場がなかったのだ。ついでだし、いまこの場を借りて言っとこう。似てねーだろ。おまえたちはいったいなにを聴いていたんだ?

こんな内容の意味プーな記事でも、ずっと前にリンゴの『NIPPON』がリリースされた時にわいた自称・音楽評論家の書いていた記事よりはよっぽどマシだと思う。なにがすごいって、あいつ、あとで訂正しやがったんだけど、「椎名林檎が軍歌のライブをやっていた」とか書いていたんですよ。「まじかよ!十年アイコーカをやっている僕でも知らないシークレットライブがどこかで行われていたのかッッッ!?」ってマジで焦ったんですけど、事実誤認だってよ。取材もせずに記事を書いたんだな。恐ろしい。「ナショナリズム」がいかに多義的な言葉であるかをろくに考えもせずにリンゴのナショナリズムがどうのこうのって濫用していたし、物書きとしてそんな雑でいいのか?って疑問に思ってしかたがありませんでした。

こんなクソ記事ばっかり読んでいると、音楽関連の評論家とかライターはウケ狙いでしか書けないゴミクズしかいないのかよって思っちゃうね。

*1:プロはプロでもプロフェッショナルなのかプロレタリアートなのか、そこは問わないでおく