ルーザー VS NHKの調査員女子
太平の眠りを覚ます玄関のピンポンがなった。
休日の午前中にやってくるものといえば、宅急便だろうか。はたまた、ついに近所の人からの苦情か。賊かもしれない。賊なら襲撃してきそうなものだが、クール・ジャパンを標榜する我が国の賊は正面から堂々とやってくるのかもわからん。賊を相手チャンバラ切り伏せるために軍刀拵のカタナ(模造刀)を買っていたのだ。目にもの見せてくれよう、カタナの錆にしてくれる。などと思案しながらハイと出てみれば、HNKの調査員であった。
ふだん機嫌が悪い時はインターホンごしに「テレビないです、うちにはテレビが、概念ごと存在しないのです」とひと言告げてニベもなく断って切るのですが、此度は状況がひと味違う。相手の声が若い女の子なのだ。
「玄関先でお話をさせていただけませんか」
などと問われたならば、
「おぉ!これは夢にまで見たエッチビデオみたいな展開だ!」
と思ってしまうのが人情というものではあるまいか?即答で「どうぞ、どうぞ」と応えて玄関のオートロックを開錠、安アパート三階の我が家へ彼女が上ってくるまでの刹那に我と我が身を顧みる。パジャマ姿だけどマァいいか、ほかにおかしなところはないね?うっかりちんぽこ出しっぱなしになってないね?と思ったところで部屋の前に到着したようで、再びピンポンがなる。戸を開ける。
ルーザー基準でいうとカワイイ女の子だった。アリかナシかで言うと、大アリだよ。二重丸、花丸。黒髪、細面、八重歯。ヴィジュアル系バンギャにもサークルクラッシャーにも化けそうな、ちょいと陰のある美人系。なんの因果でNHKの調査員なんて仕事をしているのだ。キミならトップを狙える。事務所で話をしないか?と、僕がP*1だったならば勧誘していたこったろう。語彙力がないのでうまく描写できないが、そのようなかわいらしいコだったと思ってください。調査員ガチャ大勝利だよ。上目遣いできいてくる。
「ふだん、テレビはどうやって見ていますか?」
「うちにはテレビないんですよ。なんなら上がって見てくださって構いまs
「あ、お上りするわけにはいかないので」
ケンもホロロだ。あちゃー、エッチビデオみたいにはいかないね。
「携帯電話の機種はなにをお使いですか?」
「アイホンですよ、ほれ」
ここで、
「これもなにかのご縁ですし連絡先交換しときますか?」
って軽口をきこうか迷いましたが、あとでToLOVEる*2になるとマズいので自重しました。きけばよかったかなー、くっそー。どうせきいても断られるんだろう。ケンもホロロに。
「パソコンにチューナーとかついていませんか」
「ないですね。ニコニコドーガとかしかみないです。なんならあがって確認してくださっても」
ここで、
「Xvideosってわかります?わかりますかねー?そういうのも見るんだけどー」
ってニヤニヤ笑いながら問うて反応を楽しもうかなとイケナイ迷いも湧き出てきましたが、あとでToLOVEる*3になるとマズいので自重しました。くそー、僕はXvideosなんて一度たりともご利用させていただいたことはないけれど、調査員女子ちゃんの困る顔も見たかったなぁ。おっと早まって通報するんじゃないぞ読者諸君。受信料についてご相談したいことがあるんですぐそこの怒濤る*4でお茶しませんか?と誘えばワンチャンありそうなものではあるが、ToLOVEる*5が怖いのでやめておいたし。かくのごとく、身持ちも息子も硬派のルーザーは、NHKの調査員女子ちゃんを相手に紳士で真摯な対応をしましたとさ。
あの娘また来ないかなー