読んだ本メモ
今年六月に刊行された、"超歌手"の大森靖子ちゃんが自ら名乗る肩書きをタイトルにした『超歌手』を読んだのです。 "エモい"という単語いろいろな細かい感情表現の機微を一言に大雑把にまとめてしまうから使いたくないのだけど、この本の内容については感情大…
"本を紹介する本"をできる限り読まないようにするぞとこころに固く誓っており、なんとなれば、紹介されている本がどんどんほしくなってしまうからというだけの理由なのだけど。むかしひところ谷崎潤一郎の作を祖とする「文章読本」系をいろいろ見つけては読…
17世紀に数学者フェルマーによって謎かけのように残された数学の難問を証明した数学者たちの闘いを描いたノンフィクション。 問題が生まれて証明に至るまでの数学史、数学者たちのエピソード、発見・証明されてきた数学の深奥を丁寧に描きつつ読みやすくまと…
国としての未来への先行きが不安な日本で、ある事件をきっかけとして突如全国の中学生が集団不登校になる、という話。中学生たちは大人の思いもよらない手段で自分たちなりのベストな社会を作り出していく。取り残された大人たちの視点で読むと、荒唐無稽な…
萌えミリタリー雑誌「MCあくしず」で長く連載していたコラムの加筆・単行本化したもの。単行本化する話は結構前からあってずっと楽しみにしていたところが発売予定はどんどん延期になって、あわやこのまま立ち消えになるのか……と危ぶんでいたのだけど、無事…
一読しただけでなにもかも理解できるようになるわけではないが、ニーチェの思想の概説がコンパクトにまとまっており、同時に読んでいるツァラトゥストラの脚注で解説されていることがなんとなく理解できるな、というくらいになれそうな気持ちになれました。 …
性差・人種をはじめ、あらゆる非対称な権力関係から生まれる差別についての論文を収録している。セクシャリティは自然か、ゲイとフェミニズムは共闘できるか、旧優生保護法・中絶の権利をめぐる議論など、多彩な視点のものが収録されているのだけど、堅苦し…
プロローグ・エピローグに挟まれて、四人の高校生男女の視点が切り替わってひとつの物語が構成されるライトな青春モノノベルだが、登場人物の視点の切り替えからのギャップの生み方が上手く面白い。著者の文体の特徴なのだろうけれど、文語調の言葉が織り混…
メアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』を内容を例にとりつつ、小説の批評手法の数々を紹介している。以前読んだ別の批評理論入門的なものだと、『文学部唯野教授』があった。あちらは文芸批評の歴史を追って批評の手法がどのように発展したか、…
ある科学者によって見るも醜くく生み出された人造人間が己の生に絶望して復讐に狂う怪異譚。フランケンシュタインが化け物の名前じゃないことは知っていたけども、こいつ普通にしゃべれるんだ!って読んで初めて知りました。書簡体小説で、作品の構造も入り…
丸尾末広の表紙イラストに惹かれて買いました。大槻ケンジには縁がなく、実はキンショーもろくに聴いていない。クラスメイトの女の子に誘われて行った謎の宗教団体で、人を狂わせる謎の電波能力を使った能力者たちによる謎のバトルが繰り広げられ、主人公の…
人とコミュニケーションと取るに当たって、他者を理解するとはどういう状態なのかを丁寧に考えていく。人と会話をすることを不得手とする人がどうしてうまくいかないのか。マジメなカウンセリング技術的なこと一辺倒でなく、ナンパにおける声かけテクニック…
あらゆる問題ごとを解決するにあたってのアプローチ方法がいろいろ解説されている。各手法について抽象化された説明とあわせて実例・サンプルケースが多彩に紹介されていて、自分の身の回りの問題に当てはめて考えてみやすい。評価やメリットデメリット・他…
姫乃たまはカワイイなぁ! ★ 僕が初めて地下アイドルなるものの存在を知ったのは何年前のことだったか、オーサカ・ニッポンバシのメード・キッサで仲良ピになったメードさんが地下アイドル的な活動もしていて、ライブがあるので来てくださいと宣伝していたの…
有名な方のナポレオン(一世)の甥でしかなかった男ルイ・ボナパルトが、普通選挙の行われる共和制のもとでどのようにして皇帝ナポレオン三世になりあがったのかを分析している。学生時代に世界史を履修していなかったので、正直内容については明瞭に理解でき…
ナンパヤローと、ナンパヤローに声をかけられて関係を持った女たちの多種多様な孤独が描かれた小説(なのかエッセイなのか)。主人公はスカしたナンパヤローだと思えなくもないが、知らない人に声をかけようと思う心理ってどんなだろうなと想像するのは面白い…